◆第三話 コックピットキッチンの勧め

ご無沙汰いたしました。
今回からは、インフォメーション通りに「キッチン」について
四話にわたってお話を進めてまいります。
日ごろ設計業務の中で、クライアントから頂いたアイデアや
私が生活の中で気が付いた事などを盛り込みながら、
面白楽しく語りたいと思います・・・
ひとつでも”な～るほど！”と、お役に立てる情報になる様、頑張ります！！
前話でもお話いたしましたが、キッチンこそシュウノウ技の見せドコロのスペースです！

一話のきっかけ話を覚えていますか？

どんなに狭いスペースでも、キッチン用品の数はかなり最小限に抑えたつもりでも
それなりの量になります。
残念ながら数えてみた事はありませんが、品目を並べると”こんなにあったのか！！”と
驚くほどの種類になることでしょう。
そんなモノ達が、限られたスペースの中に押し込められ出番を待っている訳です…

そして、料理こそ”時間との戦い・段取り勝負”でスピーディーにこなしたい家事の王道ですよね。
その為には、どんなキッチンが最適なのかを考えてみましょう。

中壷 6 「面倒な事を省く」「無駄な働きを省く」

第二話の中で、”誰しも皆面倒くさがり”と書きました通り「いかに単純明快にすれば良いか」ですよね！
飛行機のコックピットを思い浮かべてみてください…
機長・副操縦士が席に座ったままで、左右に体をひねる程度ですべての操縦をこなしています。
キッチンではそこまでナマケモノにはなれませんが、様々なアイデアが詰め込まれていると思います。

ここでチョット料理の手順を思い出してみましょう。

1.冷蔵庫から食材を出す
2.シンク周りに借り置きをして、食材を洗う。
3.シンク脇の作業スペースで、食材を切ったりなどの下ごしらえをする。
4.調味料を用意して、ガスコンロ等の加熱機器で調理をする。
5.盛り付ける食材を準備して、料理をよそう。

もの凄く当たり前のことばかりですが、この中にも色々な問題が隠れています…
1.2.の作業で、まず冷蔵庫から出した食材をどこに借り置きをするかです。
シンク脇にチョイ乗せスペースがあれば、助かります。
モノでカウンターの上がいっぱいになっていると、思う様に置けずイライラ！！
私の設計では、このチョイ乗せスペースを最低でも巾15センチ～20センチを取りたいです。
でもここは、あくまでもモノを乗せずに空けておきましょうね！
3.の下ごしらえでは、まな板を置いて更に切ったりした食材を入れるボウル等の置き場確保が必要です。
やはりこのスペースもまな板（様々なサイズがありますが…）をゆったり置けてなおかつ材料などを十分に置ける様、
最低ラインとして巾60センチは欲しいところです。
どうしても間口の関係で確保できない場合は、奥行きで面積を広げても良いでしょう…
PR：オーダーキッチンなら、その様な対応が、自由にできます！

次に4.のメインの加熱調理ですが、ここで問題になるのが調味料の置き場所です。この作業こそ、コックピットの様に体・手を最小限の動きに抑えたいところです！例えば右利きの方なら、加熱機器の右側にスライド引き出しでシュウノウを考えます。
一段目は、スパイス類（色々な高さがあるので、寸法チェック）
二段目は、砂糖・塩・粉類を小出し用の容器（出来れば上面に名前を明記・透明容器はGOOD!残量が分り易い）
三段目は、液体調味料（1L～1.5Lのペットボトルか瓶など、寸法チェック）一升びんをしまいたい時は高さ要注意

出来ればこの引き出しの巾も、20センチ以上は欲しいところ…
何故なら現在は調味料の種類も増えている事と、出来るだけ調味時の調味料を一ヵ所にまとめる為です。
引き出しシュウノウの良いところは、引き出したまま調理が出来て引き出し内部を一度に使える優れものであることです。
調味料だけでなく。良く使うお気に入りの調理器具もすぐ手元にまとめておきましょう…

5.の盛り付け作業、ここでも食器をどこに並べるかです。
ちなみに私のところは、キッチンカウンター背面のカウンタ＆吊戸棚に食器をシュウノウしています。
カウンターは、奥行き65センチにしてその上にオーブンレンジ等の家電が乗っています。
奥行きを深くしたのはオーブン以外の家電は奥行きが浅いので、家電使用時以外は手前30センチは空いています。
そこが吊り戸棚から出した食器を並べるスペースになっています…

もうひとつ、キッチンスペースで大事なことがあります。
それは、キッチンレイアウトを2列型・コの字型などにした時の通路巾の問題です。
キッチンプランニングの基本として、通路巾90センチという数字を良く目にしますが
私は人それぞれで良いと思います。
以前自宅のリフォームで、キッチン通路巾75センチに挑戦しました！
主人と2人で作業をする事も度々ありましたが、全く問題なくそれこそ全て半歩で事足りるナマケモノスペースです。

これらの動きがまさにコックピット状態と云えませんか？

一連のお話しで共通している事は、

中壷 7 「とにかく作業する場所に使うべきモノがあり、簡単に取り出せてすぐに戻せる」

です。
最後に、”シュウノウでこんなに変わる？”のお話をしましょう…
少し前の事ですが、こんなクライアントの悩みをお聞きしました。
健康のためとジュース＆ミキサーをこだわって購入したのに、重くて出したりしまったりが大変で結局しまいっぱなしに…
そこで、せっかくの道具なので”何とか活用しましょう”と考えました。
ジュース＆ミキサーは食材の下ごしらえもありなおかつ水も使うのでシンクに出来るだけ近い場所に引き出し式の定位置を決めました。
同時にコンセントを引き出し奥に設置して、引き出すとそのまま使える仕様にしました。
ジュース＆ミキサーは、分解するといくつかのパーツになりますが、あえて組み立てた状態でシュウノウ出来るスペースをとりました。
今では、念願の健康ジュース・調理の下ごしらえにとフルに活用されています！！
あなたのキッチンにも眠っているモノ達がありませんか？
次回からは、更にそんな眠っているモノ達を目覚めさせるキッチンのお話を続けていきたいと思いますのでどうぞお楽しみに…