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2011.05.23

キッチンに使用するカウンター素材とその特徴

私共がよくキッチンカウンターとして使用する素材(種類)を列記すると以下のようにまとめることができます。

(1) ステンレスカウンター
(2) 人工大理石カウンター
(3) 天然石カウンター
(4) 木製カウンター
(5) その他のカウンター

今回はこのカウンターの素材(種類)やその特徴についてお話しを進めて参りましょう。

(1)ステンレスカウンター

言葉通り、ステンレス薄板をプレス加工とか板金加工でカウンター形状にしたものです。他のカウンターに比べ、耐水性・耐熱性・耐汚染性に優れています。

一般的にキッチンに使用するステンレスの種類として、家庭用では「SUS304」、業務用では「SUS430」が多いです。「SUS304」は鋼に18%以上のクロームと8%以上のニッケルを添加したもので、「18-8ステンレス」とも呼ばれています。ニッケルが添加されていますので、磁石はつきません。一方の「SUS430」は鋼に18%以上のクロームを添加したもので、「18ステンレス」とも呼ばれています。こちらは磁石がつきます。

薄板の厚みですが、家庭用の用途に限りますと、従来の流し台やセクショナルキッチンに用いられているものは、t0.6前後のものが多いです。また、いわゆるシステムキッチンなどに用いられているセクショナルでないワントップ(1枚もの)のカウンターですと、t1.0前後のものが多く用いられています。

薄板の表面の仕上げも、種類は多数あるのですが、キッチンによく用いられているのは「ヘアライン」仕上げ、そして最近では「バイブレーション」仕上げの人気も高まりを見せています。

「ヘアライン」は文字の通り、髪の毛位の細い線が連続柄になっているもので、見た目にもシャープでモダンな印象を受けますので、これを選択される方は多いです。

ただ、設置後、使用してまだ新しい内は、ちょっとした手垢、指紋跡、擦り傷等が結構気になります。

「バイブレーション」仕上げは別名「パーマネントヘアライン」「ランダムヘアライン」とも言われ円弧状にランダムで深い研磨目やソフトな研磨目を与えたもので金属の表面にパーマ状のヘアラインを無数に施していく仕上げです。

落ち着きのある風合いが特徴です。「ヘアライン」仕上げに比べて手垢や擦り傷等も目立ちにくく扱いも楽ではありますが、「ヘアライン」仕上げとの材料費を比較しますと5割程度「バイブレーション」の方が割高となります。

冒頭「ステンレスカウンターはステンレス薄板を加工」とお話いたしましたが、最近ではステンレスの無垢板(t=3~10㎜)をそのままカウンターとして使用する例も増えてきております。5㎜厚の無垢板にキャビネットとの固定用の加工を施しそのままカウンターとして使用いたします。シャープなラインと重厚感を演出するステンレス高級カウンターです。表面仕上げは「ヘアライン」「バイブレーション」どちらでも対応が可能です。

一昔前に特に既製システムキッチンによく見られた「エンボス」仕上げ。文字の通り、凹凸柄になっているものですが、エンボス柄は凹凸の所で多少の乱反射が起こるため、傷等が目立ちにくいのですが、凹凸部分に汚れがつきやすく清掃性に欠ける為、最近ではほとんど目にすることがありません。

(2)人工大理石カウンター

人工的に天然石っぽく作られたものと言えますが、その材料・製法・用途により広範に及びます。ここではキッチンカウンターの用途として樹脂系人工大理石を取り上げます。

樹脂系人工大理石は、ポリエステル系アクリル系のものに大別されます。 ポリエステル系と言われるものの基本素材は、不飽和ポリエステル樹脂と骨材による成型品です。このタイプは、ゲルコートタイプソリッドタイプの2種類あります。

ゲルコートタイプは、基本素材の表面に保護・化粧(色・柄)するために、ゲルコートという塗膜で表面処理されています。(洗面化粧台やトイレ手洗台のカウンターでよく見かける表面に光沢があるものです。)見た目は色・柄がついてきれいなのですが、表面が傷つき易く、傷がつくと簡単に修理できません。

ソリッドタイプは、ポリエステル樹脂そのものの耐候性が良くなく、また上記のような表面処理されていないため、経年変化による黄変が起こりやすいです。総じて、ポリエステル系のものはアクリル系のものと比してコストが安く経済的ですが、ポリエステル樹脂は熱硬化型なため、一般的に切削・接着・研磨等の加工性、現場施工性はあまりよくないと言えるでしょう。

一方、アクリル系のものは代名詞的に「コーリアン」と呼ばれています。これはアメリカのデュポン社のコーリアンという製品が、初めて人工大理石素材として登場し、キッチンカウンターに広く普及、採用されたからです。(実績としても世界No.1と言えます。)

アクリル系のものは、MMA(メチルメタアクリレート)樹脂を主成分に、水酸化アルミ等の鉱物質を融合させたメタクリル樹脂強化無機材です。一般的に、均質・無孔質な成型品で、熱可塑性樹脂なので、切削・接着・研磨・曲げ等の加工性、現場施工性がよく、また変色・変質が起こりにくく、メンテナンス性も良いとされています。また、これに加え、色・柄・サイズも各社とも揃っており、よりデザイン性の高いキッチンカウンターを作ることができます。

この材料でカウンターを製作する場合、板材(各社とも概ねW760×L1800~3600×板厚10~13のものを用意しています)を切断・穴あけ・シンク取り付け・接着・研磨等の加工を行ない、計画していたサイズ・形状にして完成させます。

キッチンに使用する場合、耐水性と耐熱性が気になりますが、耐水性に関してはアクリル系樹脂がベースになっておりますので問題ないですし、耐熱性に関しては、各社とも物性表で耐熱温度については公表しておりませんが、キッチン業界で受容されている基準(カウンター表面に180℃に熱した鍋を20分間置いた状態で異常ないか判断する)をクリアしていますので、問題はないと判断できます。ただ、実際に、熱い鍋・やかんをカウンター上に置く場合は、鍋敷きを使用することをおすすめします。

コスト的にはステンレスカウンターと比して割高感は否めません。(細かく言うと、フルオーダーのステンレスカウンターなら人工大理石カウンターの方が安い場合もあります。)

ただ、国産メーカー品も台頭し、性状的にはデュポン社製のものと遜色がなく、板厚も薄くするなどしてコストダウンを図っていますので、以前に比べ安くなったと思います。

また、最近ではより天然石に近い色・柄のものやガラスに近い透明感のあるものなど、インテリアデザイン的にも選択肢は拡がっています。

最後にメンテナンス方法について触れます。日常の汚れや水垢などは、水拭きまたはキッチンクリーナーを浸したスポンジ・布で拭くだけで十分です。また、マジックインキ・タバコのヤニなどの落ちにくいものは、クリームクレンザーに少量の水をつけてナイロンタワシで擦れば、簡単に落ちます。

表面についた傷やその中に入り込んだ汚れは#400番のサンドペーパーで磨くと取り除くことができます。艶出し仕上げなど、特殊な仕上げ加工したものは、ご自分で補修せず、購入先にご相談することをおすすめします。

(3)天然石カウンター

本物志向の方が増えたためか、キッチンカウンターも人工的なものでなく自然素材を・・・ということで、天然石を採用されるお客様も増えてきています。キッチン用として、以前は圧倒的に「御影石(花崗岩)」が使われてきました。天然石は一般的に多孔質なため、耐水性、耐汚染性に問題がありますが、その中で御影石は比較的、耐水性・耐熱性に富み、磨き上げると鏡面光沢が得られ、インテリアデザイン性に優れた材料として、キッチンカウンターに採用されたものと思います。

ただ、なにしろ重量が重く、搬入も大変です。ちょっとした角当てで欠けたり、持ち方次第では自重で折れたりするリスクも抱えており、扱いの難しい材料です。そのため、何分割かに分け、現場で接着してつなぐ必要があります。

人工大理石のように自由な断面形状に加工したり、長物で搬入したり、現場で切削・接着・研磨することは難しい材料です。

一方、最近では、天然石の中でも、色・柄・質感がおもしろい「大理石」もカウンター素材として使用するケースもあるようです。

しかしながら、「御影石」同様「大理石」も、耐水性・耐汚染性・耐薬品性に欠けます。簡単に申し上げますと、汚れやすく、長時間使用すると多孔質の孔から水が含浸し、キャビネット内部にまで到達する恐れがあり、また日常のメンテナンスも容易でないということです。ただ、最近では技術の進化により、特殊な表面処理を施し、石特有の美しさを損なうことなく、耐水性・耐汚染性を上げる製品も出てきております。

コストも高いというイメージがありましたが、ヨーロッパ産以外に中国産のものも増え、材料的には安価になってきていると思います。ただ、天然石はカウンター材の中でも、なにせ扱いにくい材料なので、加工・搬入・取り付けという人為的なところにコストは掛かっているのが現状です。

(4) 木製カウンター

木製カウンターの種類としては、文字通り「無垢材」「集成材」「積層合板」などが挙げられます。キッチンカウンターとして無垢材を使用することは、耐水性・耐火性・木の反りなどを考慮するとあまりお勧めできませんが、集成材や積層合板はその特性や施工方法を理解した上なら、カウンターとして使用できます。

まず、集成材ですが、長さ20~30mmの小幅材を繊維方向に合わせ、幅・長さを接ぎ合わせて必要な厚さに接着剤で積層接着し、均質の長大材にしたものです。無垢材と違って反りにくいため、家具・建築造作用のカウンター材として広く使われています。

ただ、キッチンカウンターとして使用する場合、やはり木ですので耐水性に問題があります。そのため、もとの樹種の適切な選択と厚めの塗膜を施した塗装が絶対条件になります。(塗装としてはウレタン系の塗料をお勧めしますが、自然塗料を使用する場合は1~2年毎の塗装メンテナンスが必要と思います。)

私共ではキッチンカウンターというより食器棚カウンターとしてのご採用を薦めております。

積層合板ですが、単板積層材を何層かに積層接着したもので、積層の効果により節などの欠点部を含め、天然木材の持つ品質のばらつきを軽減した材料です。積層の厚み、数により積層合板の厚さは決められます。最近、集成材と違った木口の風合いのデザインが好まれ、家具・建築造作用のカウンター材として使われています。キッチンカウンターとして使用する場合は、上述の集成材と同じ扱いでよいかと考えます。

(5) その他のカウンター

木製カウンターに近いもので、メラミンカウンターが挙げられます。これは、色・柄をプリントした化粧紙にメラミン樹脂を含浸させ、バッカー材に圧着したメラミン化粧合板という材料を、芯材の積層合板やパーチクルボードに貼り合わせてカウンター材として用いたものです。表面のメラミン化粧合板は耐水・耐磨耗性に優れ、色・柄のバリエーションが豊富でインテリアデザイン性が高く、耐熱性も180~200℃あり、日本に普及し始めた頃の国産のキッチン、輸入キッチンに広く使われていました。キッチン用としては、ポストフォームというカウンター前面をR形状に加工したものが大半でしたが、最近では、一部の輸入キッチン以外には見受けられなくなりました。

その他のカウンターの2番目として、タイル貼りのカウンターが挙げられます。施工方法としては、フロアキャビネットの上に、耐水ベニヤを使ってタイルの下地を予め作り、その上にタイルを貼っていきます。最後に貼り合わせになる箇所に目地材を埋め込み、完成させます。

タイル割りを考えたり、表面を平滑に仕上げたりするのが難しく、また使用中も目地の汚れや目地割れが入りやすく、デザイン的にはおしゃれですが、実際採用して使用するとなると問題があると思います。

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