キッチンやインテリアに興味のある方は、
ホームパーティーにも興味を持っている方が多いと思います。
ホームパーティーを頻繁に開催している方に話を伺うと、
お客様を招待する事で家も片付き、料理づくりにも前向きになる、
何度もやるうちに片付け上手にもなったし、インテリアに対する目も養われた、
そして何よりも楽しい!
と、いい事ばかりを耳にします。
ですが、実際にやった事がない人達にとっては、
準備や片付けやホストとしての気配りなど、
大変に感じる部分があるからこそ、
誰もが気軽にできるものでも無いように思えてしまいます。
楽しめるようになるには、まずは「慣れる」事が一番かもしれません。
そこで、最初の一歩は家族や親しい友人と過ごす
クリスマスから始めてみてはいかがでしょう?
クリスマスは「何を飾ればいいのか」も明確ですし、
「定番の料理」もあります。
また、どこの家庭にもツリーやクリスマスらしいオブジェなど、
たくさん買い足さなくても揃っている事が多いですよね。
クリスマスはホームパーティーをする絶好の機会なのです。
そこで、プロの方が実際に、
ご自宅でどのようなコーディネートをしているのかを見せてもらいました。
クリスマスのアドベントのように、4週に渡り、
フランスの伝統的なクリスマスカラー、「白」のコーディネートや、
クリスマスレシピを紹介していきます。
プロの方の知識やアイディアを取り入れ、
いつもの食卓を少し「おもてなし」仕様にして、ホームパーティーをしてみませんか。
図 1)
カトリックのクリスマスの飾りと言えば「クリブ」
(キリスト生誕のシーンの置物)
キリスト教がヨーロッパに定着する前、古代ケルト人はすでに12月24日を「太陽再生の日」(冬至祭)として祭っていました。
本格的なクリスマスツリーは、1546年にアルザスで聖トーマスの日(12月21日)の夜に常緑樹を飾り用に切って良いと言う決まりができてから広まりました。その頃のオーナメントは、バラ(聖マリアを表す)、りんご、焼き菓子など。
カトリックのクリスマスの飾りと言えば「クリブ」(キリスト生誕のシーンの置物)(図1)で、飾るのはアドベントの開始と同時期、もしくは聖ニコラの日12/6からです。
1560年宗教改革の時に、プロテスタントはカトリックのような「クリブ」ではなく、「クリスマスツリー」をクリスマスの飾りに選び、その習慣は主にドイツと北欧で取り入れられました。
フランスにクリスマスツリーが取り入れられるのは19世紀以降。今ではもちろんクリスマスツリーはよく飾られますが、家庭によっては、クリブは必ず出すけれど、ツリーは飾らないという所もあります。例えば小さい子供のいない家だとクリスマスツリーは飾らないことが多いようです。
クリスマスカラーとして赤や緑などのカラフルなテーブルコーディネートをするのはプロテスタントのドイツ、北欧、アメリカ等。フランスのようなカトリック教徒が多い国ではクリスマスの神聖さを表現するのに『白』が使われます。
図 2)
白いダマスク織のリネン
図 3)
クリスタルのグラス
クリスマスは家にある一番良いものを使う日。
白いダマスク織のリネンに(図2)、銀器、磁器、クリスタルのグラス(図3)など。行事としての位置づけは、日本のお正月のような感じです。
すがすがしい厳かなテーブルがクリスマスのテーブルであり、カラフルな色でにぎやかにはしません。
もちろんグローバル化が進んだ今では、フランスでもカラフルな飾り付けをしているお店や若い世代の人たちがいますが、伝統的には白で飾り付け、一年に一度、親族が集まってお祝いをする日です。
またカトリック的な教えが守られている家庭では、親族でなくても一人でクリスマスを過ごさなければならない人やごちそうを作る余裕の無い人をお招きすることも良くあります。
フランスでは12月24日は祭日ではないので、普通に仕事に行き、夕食に豚の血のブーダンというソーセージとじゃがいものような簡単な食事の後、夜のミサに行きます。
その日はそのまま就寝し、一夜明けて25日(祭日)になると、キリストの誕生を喜び、みんなが集まってお祝いの食事会でごちそうを頂くという過ごし方です。
もちろん25日の朝には、子供達はツリーの下にプレゼントを見つけておおはしゃぎするというのはフランスでも同じです。
ペレ信子さんのホームパーティーのススメ
ペレ信子さんのご紹介
フランス人の夫と子供達との生活から生まれるアイデア、フランスの義母から習った家庭料理をベースにした我が家の「アールドヴィーヴル(生活芸術)」をお伝えするテーブルコーディネートとフランス家庭料理のサロン “Table de N”を 主宰。
フランスでは一般的な「友人を招いて自宅でフレンチ」を通し、テーブルコーディネートとインテリアデコレーションの経験を積まれ、子育てが落ち着いた昨年より本格的に自宅サロンを始められました。
素敵なインテリアと気さくなお人柄で、あっと言う間に大人気のサロンに。
*ペレ信子さんのブログ http://recevoir.exblog.jp