最終話 「インテリアを楽しむ壺」 | オーダーキッチン ekrea~エクレア~

収納の壺(ツボ)話

◆最終話 インテリアを楽しむ壺

2年半に渡り「シュウノウ」をテーマにお話しをさせて頂きました。
「たかがシュウノウ」「されどシュウノウ」私なりに感じてきた様々なシーンでの壺を
チョットしたヒントになればと思い綴ってまいりました・・・

最終話に際して自分の身の廻りを見渡してみますと、
「シュウノウ=モノと付き合い方」とあらためて認識しました。
難しい話ではなく、“モノがあるから上手に付き合っていく必要がある”だけの事で
それを楽しんで出来たら、ストレスなんてなんその!!ですよね!!
食品・洗剤などの消耗品を除いて、身の廻りには上手に付き合いたいモノで溢れています。
第一話でお話ししました「モノに愛情をもつ」は、全てには通用しませんが、
インテリアを構成するモノはどうでしょう・・・?
見せたくなくても目に触れてしまうモノも、確かにあるでしょう。
それでも少し意識して、愛するモノ達を上手に配置したら
<他人が見たら雑然としていても>
必ず居心地の良い空間になる事でしょう!

そこで最終話として、私の大好きな「白洲正子さんの生活術」をテーマにお話しをさせて頂きます・・・
ご存じな方もたくさんいらっしゃると思いますが、私が好きで度々訪れる場所に「旧白洲邸・武相荘」
あります。
小田急線・鶴川駅より、バスか季節の良い時は歩きで・・・
昭和18年に当時農家だった建物に移り住み、大切に手を入れて60年近く住み続けられていました。
基本的に建物・廻りの敷地もほとんど入居当時と変わりなく、保存され今に受け継がれています・・・

茅葺屋根の母屋に入りますと、堅牢な農家の構造材と
様々なモノ達(洋も和も)が不思議としっくり混ざり合い
静かで凛とした空気に包まれています。
現在は公開展示という目的で、かなり整備され
美術館的になっていると思いますが
白洲さんが生活に使用したモノ達はそのまま置いてあります。

やはり何より目に付くのは、玄関の大壺など処々に活けられている花々です。
花材もそれぞれ楚々とした庭の草花が中心で、何気ない一輪ざしに白椿を一枝・・・と
器までが喜んでいる様な見事な演出です。
生きた草花のある生活、やはり潤いますね・・・

白洲さんはもともと有名な骨董収集家で、壺・器・書・絵画・仏像など多岐に渡って本物を数多く
お持ちですので、それらのモノの持つエネルギーが空間に溢れているのだと思います。
それでも、そんなモノ達が我よ我よと主張せず何気なく存在しているのはどうした事でしょう?
使って愉しむ側が、モノに愛情を注いで相応しい使い方が出来ているからかと思います・・・

もう一つ気になる場所があります。
白洲さんが長年執筆活動をしていた一番奥の書斎です。
もともと納戸に使用されていたのか、窓は有りますが天井も低くまさに籠り部屋といった風情です。
座机を囲んで、本棚にうず高く積まれた本達・・・座机の廻りも文具やあれこれとモノに埋もれています。
凛とした美を好む白洲さんですが、物書きになるとこの場所に籠るのが一番集中出来たのでしょう。
このメリハリが何とも人間らしく、潔さに完敗です!
晩年は、座机が辛いらしくダイニングテーブルが執筆活動の場でした。
写真を見ると、やはり執筆中はテーブルの上一杯にモノで溢れています・・・

お酒の大好きな白洲さん、やはり酒器にはこだわります。
それこそ骨董の真髄で、李朝時代の白磁のとっくり・江戸時代のぐい飲みもひとつひとつ愛らしい・・・
気分に合わせて愉しんでいらしたそうです。うらやましい~!

白洲さんの本に、本物をどう見るかという文章があり「自分の好きなモノがハッキリわかる(必要ないモノも)」と
「幼い時から、良いモノ(本物)を見る機会に恵まれていた」とあります。
なかなか庶民には手の届かない本物は、美術館や様々な処で目にしたり触れたりと「知っている」と云う事が
大切だと思います。
もし、一度も訪ねていらっしゃらない方がおいででしたら是非お出かけください。
日本の原風景の残る、癒し空間のご体験を・・・

白洲さんのお話しは、ここまで・・・
皆さんはどんなインテリアがお好みですか?
以前にもお話したかもしれませんが、人の住まいは無味乾燥で無機質空間では
癒されないと思いますが皆さんのお考えは如何ですか?
何にもモノの無い無機質な空間をお好みの方もいらっしゃるでしょうが、
ショールームやモデルルームの状況のまま生活するのは
大変シンドイと思われます。
また何より人の温かみや人となりも感じず、
その人がどう生きたいかも伝わってきません。

キッチンのシュウノウでお話ししましたが、コックピットキッチンの様に道具が直ぐ取れる・
直ぐ戻せるは、見えるシュウノウの良い例です。
「キッチンに立った人が、ワクワク・キビキビと楽しく料理が出来てしまう!」この事が、ご家庭の空気に
大きな影響を与えるのですから・・・
ご自分が居心地良くて快適な生活を送れるように、オリジナルなインテリア空間を楽しんで演出してください。
貴方が我が家のプロデューサーなのですからね!!

さて、いよいよ「シュウノウの壺話」もおしまいです。
こちらの都合でお話しの間があいてしまったり、もっと具体的なお話しの方が良かったのではと
早くも反省しております・・・
生活を続けていくこと自体がとても大変な事ですが、如何に発想の転換で愉しめるか!
私も常に抱えている懸案事項です・・・
年内中に一度「武相荘」を訪れて審美眼を磨けたらなぁ、と楽しみにしております。

最後までお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。
またお話しできる時を楽しみに・・・